フィリピン人の「肌感覚」の「貧困」判断
フィリピン統計庁は一家5人の毎月の収入により貧困か否かを全国一律で機械的に判断しているということを書きました。
こういった客観的な数字によるのとは反対に人間の「肌感覚」により判断するという考え方もあります。また基準以下をすべて貧困とするのとは反対に、社会の中で位置する自分のレベルにより貧困か否かを判断するという考え方もあります。
フィリピンの民間調査機関であるSocial Weather Stationが2018年12月に実施した調査によると、2018年の第4四半期に「自分たちは貧困だ(Self-Rated Poverty)」と感じる世帯は50%にも上っていたそうです。
この調査の方法は、調査対象者に面接し「貧困」「普通」「貧困ではない」と書かれたカードを見せて「あなたの世帯はこの3枚のうちどれに該当しますか?」と質問し、カードを選ばせるというもの。つまり、肌感覚かつ自分の世間のレベルという相対的な判断をしてもらっています。
これは長年続けられた調査であり、各年の「貧困」と回答した率がまとまっているので抜粋します。
1986年まではマルコスが大統領を務めていましたね。そして2004年以降、貧困と感じる世帯割合に大きな変化はありません。