島国時々更新日記

日本ではない南の島国で知ったことを書いていきます

【フィリピン人のお給料】最低賃金制度と平均日給(おおざっぱ!)

戦後の日本では正社員で働いていれば「電産型賃金体系」がベースになった、すなわち従業員が生活できるだけのお給料を支払いましょう、という会社ばかりでした。しかしフィリピンではこのような考え方は定着しておらず、生活できるだけのお給料が支払われていないように思われますが、どうなっているのでしょうか?

まず日本の賃金制度には、時給制、日給制、日給月給制、月給制があり、最近は年俸制の企業も増えてきているようです。フィリピンでは正社員でも基本的に「日給制」であり、法定最低賃金も日額で決められています。

また年に4回統計庁から Current Labor Statistics という名称で公表される統計に、フィリピンの賃金データは載っています。ここには平均世帯年収もあります。

www.psa.gov.phでは最低日給と平均日給を同時に見てみます。 単位はペソです。最低賃金は地域別なのですが、便宜上、首都圏と筆者のいる中部ビサヤ地域を抜き出してみます。また2018年の平均賃金はまだ公表されていないので、唯一公表されている1月のものを載せます。

  2016年 2017年 2018年1月
全国平均基本日給 400.95 418.00 427.76
マニラ首都圏平均基本日給 561.74 581.58 575.18
中部ビサヤ地方平均基本日給 351.20 364.71 381.74
      2016年     2017年     2018年
マニラ首都圏非農業最賃 481.00 491.00 512.00
中部ビサヤ地方セブ市非農業最賃 353.00 366.00 386.00

日本では最低賃金はアルバイトなど非正規労働者の賃金決定の目安に使われますが、フィリピンでは最低賃金+αが賃金額なので、最低賃金が全労働者の賃金額に影響を与えているようです。

(※Current Labor Statisticsによれば、平均基本日給とは残業代や諸手当、ボーナスを含まず社会保険料や税金の天引き前の金額とのこと。)

前述の平均世帯年収ですが最新の統計でも2015年なので(古いよ!)、参考として記述しますと、全国平均が26万7000ペソ、マニラ首都圏平均が42万5000ペソ、中部ビサヤ地域が23万9000ペソです。

単純に中部ビサヤ地方セブ市で月20日出勤と考えると、大人が一人働くと353ペソ×20日×13か月分(12か月分と法定の1か月分ボーナス)=9万1780ペソ。父母とも働くと年に18万3560ペソでその他に何かしらの収入(同居のおばあちゃんの小商いとか)があって、23万ペソにやっと届くかな、という感じでしょうか?

それにしても、これなら月給7000ペソちょっと(1万5000円強)、世帯年収52万円弱ですからね。フィリピンの人件費は安すぎるんじゃないかな?ひと月に直すと世帯月収2万ペソ弱かあ…。貧困判断基準の1万400ペソよりいくらか上だけど、家族みんなで働いてぎりぎり生活できて、たまにジョリビー行ってクリスマスにご馳走食べるぐらいが関の山?

2年前の2016年に書かれたブログ記事ですが、庶民のお給料と生活ぶりは、

なんと これだけミニマムな生活をしても
修行僧のような暮らしに甘んじても
仮に給料が8,000ペソだと 1,000ペソ程度しか余りません 

これが現実です 

これが フィリピン人が大家族で暮らす理由の一つです

 と表現されていますので、筆者の計算もあながち予想外れではなさそうです。

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