島国時々更新日記

日本ではない南の島国で知ったことを書いていきます

【EU】自宅待機など行動制限の解除の時期や方法は?【コロナ後】

コロナウイルスの感染拡大防止のため、世界各国で強制的lockdown、そしてStay Home、quarantine、curfewの義務付けもしくは呼びかけが行われています。そのおかげか、感染者数や死者数の増加が鈍化しつつある国や地域も見られ、徐々に行動制限の解除や経済活動の再開も視野に入ってきます。

アメリカでは4月16日にトランプ大統領が、今後数か月で経済活動を再開するガイドラインを発表しています。

www.bbc.com

 

EU欧州委員会)も4月15日に行動制限解除のロードマップを発表しました。

ec.europa.eu

 

アメリカの行動制限解除に比較するとEUの行動制限解除に関する報道量は少ないのですが、下記の記事が上記の欧州委員会の報道発表をコンパクトにまとめています。

www.jetro.go.jp

www.bloomberg.co.jp

アメリカとEUの行動制限解除の考え方に共通しているのは、ある日を境にいきなり行動制限を解除するのではなく、「段階的に(phase out)」解除していくということです。

EUのロードマップの概要については上記二つの記事に説明を譲って、このブログでは「ロードマップのベースにある考え方」について見ていきます。EUのプレスリリースには欧州委員会のフォン・デア・ライエン委員長は次のような発言があります。

“Saving lives and protecting Europeans from the coronavirus is our number one priority. At the same time, it is time to look ahead and to focus on protecting livelihoods. Even though conditions in the Member States still vary widely, all Europeans rightly ask themselves when and in what order the confinement measures can be lifted. Responsible planning on the ground, wisely balancing the interests of protection of public health with those of the functioning of our societies, needs a solid foundation. That's why the Commission has drawn up a catalogue of guidelines, criteria and measures that provide a basis for thoughtful action. The strength of Europe lies in its social and economic balance. Together we learn from each other and help our European Union out of this crisis.”

コロナウイルスから命を救いヨーロッパの人々を守ることは、我々が一番重視していることである。同時に、現在はこの先を見すえて人々の生活を守ることに力点を置く時期でもある。EU加盟各国の状況は各国ごとに非常に異なっているが、すべてのヨーロッパの人々が行動制限措置の解除の時期や順番の可能性について当然ながら疑問に思っているところだ。責任ある計画を基礎にすること、公衆衛生の保護という利益と社会の機能という利益を上手にバランスを取ること。これらのためには確固たる基盤が必要である。それゆえ、欧州委員会は思慮のある行動のベースとなる一連のガイドライン、基準、方法を策定した。ヨーロッパの強みは社会的な事柄と経済のバランスを取るところにある。我々は一丸となって、お互いに学びあい今回の危機からEUを救うのである(強調は筆者による)。)

 

 

また、委員会の委員の一人は、

Until effective treatments and a vaccine are found, we will have to learn to live with this virus.

(効果のある治療法とワクチンが見つかるまで、我々はウイルスと共存することを学ばねばならないだろう(強調は筆者による)。)

 

と述べています。

 

なんとなくですが、日本では5月6日の緊急事態宣言期限が来れば(可能なら)全部が一度に解除されるだろうとか、感染者が出なくなれば解除されるだろうとか、そのような感じで受け止められているんじゃないかと思っていますが、この先肝心なのは「ウイルスはいなくならないので、どのように折り合いをつけて生活していくか?」ということになりそうです。

 

いずれにせよ、日本より先にロックダウン的なものを開始した国がどのように解除していくのか、観察して参考にすることができるでしょう。