【ドイツ】サプライチェーン・デューディリジェンス法(Lieferkettensorgfaltspflichtengesetz(LkSG))の内容(7)
1月5日のブログ記事に続く内容です。
Lieferkettensorgfaltspflichtengesetz(サプライチェーン・デューディリジェンス法)
https://www.bgbl.de/xaver/bgbl/start.xav?startbk=Bundesanzeiger_BGBl&jumpTo=bgbl121s2959.pdf
第10条 文書化義務と報告義務
(1)文書化義務として、企業は第3条の注意義務(12月19日のブログ記事参照)を履行していることを文書にして示すよう義務付けられます。文書は作成から少なくとも7年間、保管します。
(2)報告義務として、企業は毎年、前の事業年度における注意義務の履行状況を文書にまとめて報告書とし、当該事業年度の終了から4か月以内に、インターネット上で公開することを義務付けられます。公開期間は7年間で、無料で誰でも閲覧できるようにします。報告書には以下の4項目を含むこととしているので、4項目を直訳します。
1.人権または環境に関する義務について、企業がリスクや侵害を把握したか、把握したのであればその内容。
2.企業が注意義務を履行するために、第4条から第9条までの措置に関連して、何を講じたのか。
3.(講じた)措置の効果と実効性について企業がどのように評価しているか。
4.その評価から、今後の措置について企業がどのような結論を導き出したか。
(3)企業が人権や環境に関するリスクや義務違反を発生させていないことを把握し、これを報告書に説得力のあるかたちで記載した場合には、上記(2)の2~4の詳細な説明は不要としています。
(4)企業秘密については、報告書への記載を控えることができます。
政府が連邦議会に提出した資料には、「モデル報告書」のようなものは紹介されておりませんので、形式や内容は各企業の裁量に任されている部分が多いということになります。